高配当銘柄紹介 ~電源開発:9513~

投資
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こんにちは、クローバーです。
今回は電力事業を行う電源開発(J-POWER)について紹介します。

本稿執筆時点(2021年12月)の配当利回りは4.8%と他の電力会社と比べて高い印象です。株価も最近は下落傾向が続いていますのでその背景を調査しました。

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概要

J-POWERは日本の電力供給の増加を目的として、1952年に政府によって設立されました。その後、2004年に東証1部に上場し完全民営化を達成しています。

主な事業内容は発電と送電ですが、東京電力や関西電力などの電力会社と異なり電力小売り事業は行っていない特徴があります。そのため、私たちがJ-POWERから電気を直接買うことはできません。

J-POWERは発電した電気を電力会社に供給する卸電気事業者です。

発電の種類

J-POWERの発電設備の出力は、火力と水力で95%以上を占めています。

このうちの約26%が海外発電事業によるもので、ガス火力の大半は海外事業によるものです。

国内の発電設備の内訳は下の円グラフに示すように石炭火力と水力が半々となっており、J-POWERの国内火力発電の大半は石炭火力によるものということが分かります(石炭火力の国内シェア1位)。水力に関しては国内2位、風力も国内2位のシェアがあります。

事業セグメント

事業セグメントは「電気事業」、「電力周辺関連事業」、「海外事業」、「その他」の4つに分類されています。売上高は電気が全体の8割を占めており、国内の発電・送電事業が主要事業であることが分かります。

利益面では国内と海外で約50%ずつと、海外比率が高いという特徴があります。

売上高、営業利益、EPS

売上高は増加傾向にあるようですが、背景には電気代の上昇傾向がありそうです。

売上高、営業利益

下のグラフは電気料金の平均単価の推移です。2016年度以降は上昇する傾向にあり、売上高の推移と関連がありそうです。また、営業利益は18年3月以降は下落する傾向にあります。22年度は一部発電所の設備トラブルの影響と燃料費の増加により、10/29に下方修正が出されています。

電気料金の推移
出典:経済産業省 資源エネルギー庁
日本のエネルギー 2020年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」より抜粋

売上高は電力単価の影響を受けるので、販売電力量の推移を確認してみましょう。

販売電力量はほぼ横ばいで推移しており、大きな増減はないことが分かります。また、発電設備の出力では火力と水力が同程度ありましたが、販売電力量で比較すると(石炭)火力が圧倒的に多いことが分かります。

販売電力量の推移

EPS(1時株当たり利益)も18年3月をピークに下落傾向です。

EPS

キャッシュフロー

営業キャッシュフローは安定して稼ぎ出しているようですが、フリーキャッシュフローはマイナスになることがあります。大規模な発電所の建設には継続的な投資CFが必要になるので、営業CFが低くなると厳しいようです。

キャッシュフロー

自己資本比率

自己資本比率は30%程度と低い印象を受けますが、大手電力会社10社でも13~39%なので、比較的高い水準のようです。

自己資本比率

配当金

配当金の推移は2007年度から15年度までは70円、以降は75円となっており、配当利回りは4.8%(2021年12月時点)です。

配当性向は22年3月の予測値で46%となっています。株主還元方針では30%程度を目途としていますのでやや高い水準ですが、上場以来減配をしていないので多少は配当性向が高くなっても配当を維持してくれそうです。

配当金

リスクについて

大間原子力発電所の建設

J-POWERは青森県の大間町に138万kWの原子力発電所の建設を進めています。着工は2008年で当初の稼働予定は2012年ですが、反対運動と東日本大震災で強化された津波対策の影響で稼働時期は未定となっています。稼働される日は来るのでしょうか・・・

脱石炭の流れ

2021年11月に行われたCOP26で、脱石炭に関する声明にEU諸国を中心とした多くの国が賛同しています。日本、アメリカ、中国はこれには賛同していませんが、世界の流れは石炭の使用を直ちに減らす方針のようです。

一方でエネルギー資源の乏しい日本としては、石炭火力を直ぐには減らせず、徐々に依存度を下げていく方針です(2050年にカーボンニュートラル)。2020年度の総発電量に占める石炭火力の割合は31%と高い依存度であることが、直ぐに減らせない理由のようです。また、自然エネルギーは天候によって発電量が左右されるデメリットがあるので、安定して電力を供給できる火力発電は現時点では必要との判断のようです。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」より作成

J-POWERでもカーボンニュートラルに向けて自然エネルギーによる発電を積極的に増やしているようです。しかし、石炭火力に比べると小規模になるので火力発電の依存度がなかなか下がらないと考えられます。

J-POWERは水素発電に関連した研究開発も行っていますが、褐炭と呼ばれる水分を多く含む石炭を使う技術のようです。CO2を回収・貯蔵するCCSの技術でCO2の実質排出量はゼロに抑える計画のようですが、「脱石炭」を目指している世界の流れには逆行する形です。

一方で、世界中が脱炭素に向かったこととコロナ禍からの経済再開の影響で天然ガスや原油の価格が高騰し、石炭価格までも高騰し始めています。EU諸国も一時的に石炭火力を増やさざるを得ない状況のようで、IEA(国際エネルギー機構)が今年の石炭火力による世界全体の発電量が過去最高になるという見通しを出しています。報告書ではEUでの石炭火力の増加は一時的なものということですが、今後の動向次第では石炭火力の在り方が見直され、J-POWERの評価が変わるかもしれませんね。

まとめ

J-POWERは化石燃料による火力発電に大きく依存しており、カーボンニュートラルに向けた大きな改革が求められています。一方で、国内のベース電力である火力発電や水力発電を運転しており、日本の安定した電力供給には欠かせない企業といえます。

長期投資をする上では、営業利益が減少している点と化石燃料に依存した経営の2点が気になります。管理人は現在25株を保有していますが、買い増しは消極的にしていこうと思います。

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※本情報は参考としていただき、投資は自己責任でお願いします。

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